草の根卓球マンのblog

卓球している社会人です。主に卓球ネタですが、他のスポーツだったり、ゲームや漫画についても書いていきます。

2019年01月

こんにちは!!年明けてから続々と新選手のTリーグ参戦が決まっていいですね。ただ、選手が増えても、チーム数が増えないと活躍できる選手が限られてくるので新しいチームが参戦しないですかね?

 それでは今回の記事は「Tリーグ参戦選手紹介(ハン・イン選手 TOP名古屋)

 ハン・イン選手は中国出身のドイツに帰化した選手で、現在35歳です。世界ランキングは現在40位台で過去に6位まで上げた世界トップクラスのカットマンです。リオ五輪の準決勝で福原愛さんとの対戦で日本を阻んだ選手として記憶している方も多いでしょう。
 実績としてはリオ五輪団体銀メダル、ワールドツアー優勝などがあります。他にも伊藤選手や平野美宇選手を破りグランドファイナル準優勝に輝いたこともあります。
 帰化して以降はヨーロッパリーグで活躍しており、ヨーロッパ選手権などにも団体・個人戦に出場し団体では何度も優勝に導いています。ドイツの国内大会でも個人優勝に輝いており、まさに女子のカットマンとして最強の刺客がTOP名古屋に参戦したということでしょう。中国仕込みのカットで活躍を期待したいです。

 ハン・イン選手は右シェーク裏表(粒?)です。多分ですが、中国系のカットマンは表を使うことが多いのでバックは表だと思われます(根拠はないですけど(笑))。
 ハン・イン選手は守備型のクラシックなカットマンです。もちろん、攻撃もしますが積極的に仕掛けるのではなくチャンスメイクした後をしっかり決めきるというイメージです。その攻撃もドライブは当然しますが、スマッシュを打つことも多いので決定率がとても高いです。
 
 また、同じTOP名古屋に所属する守備型の徐考元選手とは少し違って、全体的に鋭いツッツキやカットで相手を追い詰めていくスタイルだと言えます。守備型の中でも攻撃的な守備型カットマンともいえると思います。回転量も豊富でカット打ちのうまい平野美宇選手でも何本も落としている場面がありました。
 守備範囲が広く回転量豊富なカットで相手を翻弄して、活躍してくれることを期待したいです!

 
 さて、ハン・イン選手の試合動画ですが、少し前の2016年グランドファイナルより伊藤美誠選手との試合をあげます。
 2016年の伊藤美誠選手と言えば、リオ五輪でドイツには負けたものの3位決定戦ではシンガポールに勝ち銅メダルを獲得し勢いに乗っていた時期でもあります。また、当時からカット打ちはうまく、この試合の前にもハン・イン選手と対戦をしその時は伊藤選手が勝っています。
 ですので、この試合においてもその時の勢いと合わせて伊藤選手が有利かと思われていました。

 試合内容の方はというと、伊藤選手が少し精彩を欠いている場面もありますが、ハン・イン選手の回転量を見誤っている場面が何度かあります。
 ネットにかけるというよりかはオーバーミスが多く、ナックル系のカットを打ちミスしているのではないかと思います。私のレベルで大変恐縮なのですが、うまいカットマンの人はナックルカットが本当に分からないです。切れているカットはツッツキなりでなんとか対処できるのですが、切れているのか切れていないのかが分からなくなると本当に打てなくなってしまいます。

 まさに美しいプレーでいまだ活躍しているハン・イン選手のプレーをよくご覧ください!

 本日は以上です!!

2016 World Tour Grand Finals Highlights: Han Ying vs Mima Ito (R16)


 

 こんにちは!!次々と新しい選手が参戦してくれるのでblogネタに困りません(笑)。また、カットマンということもあって1人テンションが上がっています。

 ということで今回の記事は「Tリーグ参戦選手紹介(侯英超選手 木下マイスター東京)

 侯英超選手は中国出身で現在カナダに帰化してしているようです。現在は38歳で中国代表を退いた後は、ヨーロッパリーグを渡り歩き活躍していました。過去世界ランキングを10位まで上げており(現在ランキングなし)、世界トップクラスのカットマンであることは間違いありません。
 実績としては世界卓球ベスト16、中国代表、ワールドツアー入賞など数々の実績があります。ここ10数年の中で、中国男子として一番活躍したカットマンではないでしょうか。若手では馬特選手がワールドツアーで活躍をしたりしていますが、やはり中国国内での戦いが厳しくまだあまり実績がありません。
 卓球大国中国で代表として活躍し、超級リーグやヨーロッパリーグでの活躍も華々しくまさに名実ともに最強の刺客が最強チームに加入したということでしょう。
 あの変態的に曲がるカーブロングやぶち切れの表カットで間違いなくTリーグを盛り上げてくれることだと思います。とても楽しみです!!

 それでは侯英超選手の戦型ですが右シェーク裏表のカットマンです。中国のカットマンはバックに粒ではなく表を張ることが多いそうです。それは粒よりも回転量の変化が激しく、攻撃も表の方が反転する必要がなくやりやすいからだと何かで読んだ気がします。侯英超選手もたまに反転してバックドライブをしていますが(笑)
 侯英超選手の特徴と言えば、変態的に曲がるフォアカーブロング(ドライブ)とカット打ちの名手であるボル選手ですら落とすバックカットです。
 特にフォアロングの相手の回転を利用した返し方は本当に凄いです。トップクラスのカットマンは皆あの感覚は持っているかと思うのですが、その中でも飛び抜けているようにも感じます。ちょっと触るだけですごい曲がるし、伸びるし、教えてほしいです(笑)。
 また、バックカットの回転量も異次元で多くの対戦相手がボトボトと落としています。ドライブだけではなくツッツキでも!やっぱり粒にはない回転量ということもあってその落差が想像以上に激しいのでしょう。

 最後に個人的に凄いなと思うことが一つ。それはカットマンにしては大きな動きが少ないということ。塩野選手やフィルス選手など多くのカットマンのイメージは大きく動いて拾って、チャンスを見つけては攻撃するというものだと思います。
 しかしながら、侯英超選手は一般的なカットマンよりも動きが少ないように感じます。それは回転量豊富なカットやドライブでコースを制限しているだろうし、そもそもコースの読みが鋭いのかなと思います。粘って勝つというよりかは変化と攻撃で早めに仕留めきるというタイプのカットマンだと私は思うので、必要以上に大きく動く必要はないのかと思います。ですが、細かな動きでコースに入るフットワークは勉強する必要があると思います。

 侯英超選手の動画ですが、今回は試合動画ではなくベストプレーにしたいと思います。もちろん、試合動画でもいいのですが、やはりカットマンの魅力を伝えるにはベストプレー集の方がいいかなと思いましたので。このような素晴らしいプレーがTリーグでも見れるように期待したいです!!


 本日は以上です!!

Hou YINGCHAO - Legend of Table Tennis #4

 こんにちは!!blogネタに困っていたので、新選手加入の情報はとてもありがたいです(笑)

 ということで今回の記事は「Tリーグ参戦選手紹介(林昀儒選手 岡山リベッツ)

 林昀儒選手は現在17歳で台湾の選手。世界ランキングは28位でここ1年くらいで100位近くランキングを上げています。実績としてはU-21ワールドツアー優勝、世界卓球代表、ダブルスでグランドファイナル出場などが挙げられます。シングルスももちろんのことながら、ダブルスでの活躍も目覚ましい選手です。やはり左利きということもありダブルスがうまいのでしょう。
 中国の方博選手や王楚欽選手など破っており、次期台湾のエースとして活躍することを期待されています。張本選手やスウェーデンのモアガド選手らと共に次世代の卓球を引っ張っていく選手になると思いますので、しっかりと注目しましょう!

 
 林昀儒選手の戦型は左シェーク裏裏。日本では「台湾の張本」とも称されている林昀儒選手ですが、張本選手というよりかは同じ左利きということもあって、木造選手や宇田選手に近い戦型だと思います。
 チキータや高速バックハンドを軸に前陣卓球をしながら、結構な割合でフォアハンドを使うというところが似ているかなと思います。ただ、そんな木造選手や宇田選手と違って張本選手に似ている部分が下がらずに前陣を死守するということです。フォアハンドもとても打点の高いところで打っているので、あまり引き合いにならず、対戦相手としてはとても厳しく攻められます。木造選手や宇田選手はポイント、ポイントではとても速い卓球をしますが、全体を通すと結構引き合いをしている印象があります。
 
 そして林昀儒選手の特徴としては、前陣卓球を死守しながらもミスが少なく、派手なプレーではなく丁寧な卓球を出来るというところです。
 今流行りの前陣卓球と丁寧な卓球は正反対かと思いますが、林昀儒選手はその相反するものを両立しているように感じます。具体的には前陣を死守しながらも打点は張本選手ほど速くないところだと思います。(それでも普通の選手よりは速いかと思いますが)例えるならサムソノフ選手を左にして前に張り付いたようなイメージかなと思います。打点を少し待つ分、攻めの厳しさはないですが、しっかりと前でミスすることなくラリーをしています。前陣卓球というと高速卓球をイメージしますが、そうではなく文字通り前陣を死守して自身の打点を維持しながら卓球をしているという感じです。
 ですので、張本選手のような高速卓球とはまた違った前陣卓球を確立しているように思います。
 また、ミスが少なく丁寧な卓球が出来るということが世界ランキングを上げている要因の一つかもしれません。

 
 そんな林昀儒選手の試合動画ですが、オーストリアオープンのオフチャロフ選手との一戦です。
 ボル選手と共に中国に立ち向かう選手の一人ですが、中陣からのパワーのあるラリーに前でのラリーも凄まじいです。そんなパワーのあるオフチャロフ選手にどう立ち向かっていくかが注目です。

 試合の方ですが、オフチャロフ選手のパワーに押される場面もありますが、しっかりと前でさばききりオフチャロフ選手のミスを誘っています。やはり、打点の高いところでミスなくラリーが出来ているところが勝因だったのかなと思います。
 両者の良さが出たナイスゲームですので是非見てください!!

 本日は以上です!!

Dimitrij Ovtcharov vs Lin Yun Ju | 2018 ITTF Austrian Open Highlights (R32)

 
 

 こんにちは!!

 今回は全日本観戦記(男女決勝)の最終回を書いていきます。

 まずは女子決勝戦 伊藤選手VS木原選手から。
 2年連続3冠がかかった伊藤選手とノーシードから快進撃を続け最年少優勝がかかった木原選手との対戦です。


 さて立ち上がりから伊藤選手が仕掛けていきます。多彩なレシーブで木原選手を翻弄し、リズムをつかませないだけでなく力強いフォアファンドで積極的に点を重ねています。あれだけの威力とコースの厳しいフォアハンドをミスすることなく出来るのは本当に凄いです。
 
 逆に木原選手は少し緊張したのかあまり良いプレーが出来ていなかったようにも感じます。その中でマッチポイントを握れたのは良かったですが取り切れなかったのは残念でした。ここでしっかり取っていれば違った展開もあったのではないかと思います。

 2セット目以降は伊藤選手のペースでした。多彩なレシーブはもちろんのこと、強力な両ハンド、相手のエースボールも返す粘り強さとラリーの強さ。どれをとっても一級品でした。ただ、大量リードしたところで逆転されていたらまだ分からなかったかもしれません。
 木原選手としては準決勝までの良いプレーが封じられてしまったため、少し無理にでも攻めないと得点を出来ない場面が多かったように思います。また、伊藤選手の技術の質がとてもたかく打破しようにもなかなかできていなかったように思います。
 4セット目伊藤選手が大量リードしたところで決めきってしまおうとミスを重ねたため、セットを取りましたが、あれくらいミスをしてくれないと勝機が見いだせなかったように感じます。

 4セット目を取ったことにより流れが変わるかと思いきや、伊藤選手がしっかり気を引き締めなおしたので主導権を握ったまま勝負を決めてしまいました。
 
 見事なプレーで2年連続3冠に輝きました。自身のプレーはもちろんのことながら、準決勝・決勝では特に相手のプレーを封じる戦い方が圧巻でした。
 

 続いては男子決勝戦 大島選手VS水谷選手。
 張本選手に勝った勢いを残す大島選手かそれとも前人未到の記録に臨む水谷選手か・・・

 それでは試合内容です。

 1セット目は大島選手のフォアハンドがよく決まっていたように感じます。水谷選手としては様子見の意味合いがあったのかもしれませんが、想像以上に押されてしまったのではないかと思います。
 やはり大島選手のフォアハンドは世界でもトップクラスの威力があるのでしっかり振らせると水谷選手や張本選手でも止まらないですね。
 ただ、張本選手にしてきたほどの徹底した戦術は1セット目からは感じられなかったので、それほど水谷選手に対して有効な戦術というのがないのかもしれません。穴がない戦い方が出来るのが水谷選手の強さなのだと改めて思いました。

 2セット目以降は水谷選手がギアを挙げて一気に主導権を握りました。
 具体的にはあまり大きなラリーにさせず、大島選手の足を止めるようなコース取りをしていたように感じました。大島選手のように強力なフォアハンドで足を活かした戦型の場合、大きく動かして長いラリーにもっていくと段々調子を上げる傾向にあります。
 ですので、大島選手が回り込んだ後はバックにブロックして一度足を止めてからフォアに振っていることが多かったです。それもコース取りが厳しく、大島選手が届かないほどのコースでした。
 
 こうなってくると大島選手としてはフォアでいこうかバックでいこうか、フォアに打とうかバックに打とうか迷いが生じてくるので、ボールの質が下がったりコースが甘くなります。
 そこをしっかりと水谷選手が決めていたのでラリーでの主導権がなかなか握れなかったように感じます。
 また、近年水谷選手は下がらずに前・中陣で戦うことを意識していますので、それがこの試合でも見られました。普段距離を取って戦っている選手が前で戦うようになると、前陣の選手とはまた違ったプレッシャーを感じます。大島選手の時もそうでしたが木造選手と試合をしているときに特に感じました。
 
 張本選手に対しては万全の対策を練ってきた大島選手でしたが、懐の広さという意味では水谷選手の方がだいぶ上でした。この懐の広さがあるからこそ、V10という前人未到の記録を打ち立てられるし、国際大会においても中国選手やボル選手などのごく一部の選手にしか負けないのだと思います。
 
 本当に優勝おめでとうございました!!

 本日は以上です!!

 こんにちは!!テニスにサッカーと忙しい日々です。

 昨日に続きまして「全日本観戦記(男子準決勝)」を書いていきます。

 準決勝第1試合は張本選手VS大島選手。

 あわや敗退というところまで追い込まれた張本選手でしたが持ち前の勝負強さで苦しい戦いを乗り越えてきました。今大会2冠もかかっており、優勝候補筆頭として決勝進出なるかというところです。

 対する大島選手は今大会一番充実した試合内容で準決勝まで勝ち上がってきました。ダブルスでは惜しくも3位に終わってしまいましたが、このシングルスでは初優勝を目指して決勝進出なるかというところです。

 それでは試合内容の方に移ります。

 この試合の勝敗を分けたのは最後まで戦術を徹底できたかということに尽きると私は思います。
 大島選手は張本選手に良いプレーをさせない戦術。要所で自身の特徴であるフォアドライブとフットワークを活かした戦術。
 対する張本選手はそんな大島選手のプレーを受け、自身のプレーがどうなったらうまくいくのかということに焦点を置いた戦術

 この戦術の違いが勝敗を分けたのかなと思います。それではちょっと細かく見ていきたいと思います。

 1・2セット目に大島選手の張本選手に対する戦術というかプレーの方向性が詰まっていたように感じます。
 まずレシーブはチキータをせず、全部ストップ。それも張本選手がチキータをしたくないくらいの精度の高いストップを最初から最後までしていました。台から出た甘いサーブに対してはしっかりと打ち込んでいました。
 チキータはごくたまにしていましたが、しっかりと打てる時だけ打っていました。多くの選手がチキータを起点としたラリーをしているので、たまに来るチキータに対して張本選手がうまく対応できていませんでした。
 
 サーブに関しては何回転出してるとかは全くわかりませんので悪しからず(笑)。
 基本的にはミドルからフォア側を中心にして、要所でYGや通常のバックロングを使い揺さぶっていたように思います。また、その後の3球目の対応もよく、普通の選手ならはびっくりするような張本選手の打点の遅れたストップに対しても、しっかりとストップをしながら時折ツッツキを混ぜ張本選手に的を絞らせないようにし、台上の主導権をずっと握っていたように感じます。
 チキータに関してはサーブがコントロールされていたこともあって普段より威力が落ちていたように思いました。されたとしてもしっかりと両ハンドで対応してラリーにもっていっていました。また、バックの高速ラリーになると、張本選手に分があるのでコース取りとかを意識していたように思います。
 また、序盤から大島選手のバックにうまく対応できなかっことも最後まで尾を引いたように感じます。

 以上のようなことを試合を通して意識していたように感じました。(本当はもっとたくさんあるだろうし、全然違うことかもしれない)


 3セット目と4セット目からは上記のような大島選手の戦術に対して、後手に回るような対応をしていたように感じました。サーブについては、少し長くしたりちょっと横回転?多くしたりして、大島選手にきっちりストップさせないようにしていました。
 レシーブに関しては、ストップからの展開があまり良くないため、ほとんどチキータをしていました。
 このように変えてから、張本選手も自信を取り戻したのかラリーでも得点できるようになり主導権を取り戻したかのように見えました。チキータがきっちり決まり、持ち前の高速バックハンドが決まると大島選手でも対応できませんでしたね。

 しかしながら、4セット目の後半張本選手が8-4と大きくリードしたところで大島選手が2本YGからのロングサーブで得点し逆転するきっかけになったことはこの試合を象徴するかのような出来事でした。
 3セット目に順横系のロングサーブを出して張本選手にレシーブエースを取られていたので出すのが少し怖いと私は思ったのですが、思い切って出したことが功を奏したように感じます。8-6となった後、張本選手はその前のプレーのことを引きずってしまったのかイージーミスをしてしまいました。
 このセットをしっかりと取っていれば張本選手が勝ったかもしれません。

 5セット目は8-6と大島選手がリードしたところですこし守りに入ったところを張本選手がしっかりと決めきったので逆転されたというところです。
 6セット目は5セット目取られた影響を引きずってしまい、戦術がぶれてしまったように感じました。張本選手は3セット目のように少し自信を取り戻しチキータも決まっていたと思います。
 しかしながら、全体の主導権は常に大島選手が握っていたように感じます。

 泣いても笑っても勝負が決まる最終セット。
 序盤、張本選手が少し簡単なミスをしてしまったがために、いい流れでスタートを切れなかったことも勝敗を分けた要因だったかなと思います。しかし、中盤は集中力の高いプレーで大島選手の流れになりそうなところも引き戻していたように感じます。
 
 そして多くの方が大島選手のメンタルの強さを見た9-9からのロングサーブ。
 もちろん大島選手のメンタルの強さもあってのことだとは思いますが、個人的には張本選手との対戦が予想された時からずっと考えていたのではないかと思います。
 それくらい迷いのないプレーだったように感じます。逆に張本選手としては最後までうまく対応できなかったのが敗因なのかなと思います。

 この試合は普段から練習しているであろう2人の対戦で、互いに慣れていた部分はあったとは思いますが、それを踏まえたとしても大島選手が絶対に張本選手に勝ってやろうという気概で万全の対策をしたことが勝敗を分けたのかなと思います。

 

 準決勝第2試合は木造選手VS水谷選手。
 ダブルスで優勝した勢いそのままにシングルスも決勝進出が期待される木造選手。ジュニア時代から高速卓球で活躍しており、今後一般の部でも活躍できるきっかけになる大会でした。

 対するは13年連続決勝進出、V10がかかっている水谷選手。張本選手以外にこの男に勝てる日本選手はいるのかというくらい記録を伸ばし続けています。ダブルスは惜しくも3位にだっため、余計に優勝の期待が高まります。

 それでは試合内容に移ります。

 1セット目は木造選手の高速卓球がさく裂します。素晴らしいカウンターやバックハンドが決まります。水谷選手としては少し様子見をしながら試合をしていたように感じますが、それ以上に木造選手の試合の入り方が良かったように感じます。

 2セット目以降は完全に水谷選手のペースでしたね。言い方は悪いですが、過去大会の町選手や神選手のような後輩たちを相手にしたような試合内容ぶりでした。
 ただ、彼らと少し違ったのは高速卓球をさせるとさすがの水谷選手でもさばききれない場面があるので、相手にプレーをさせて点を取るのではなく、木造選手よりも速く攻めることでプレッシャーをかけていたように感じます。

 レシーブにおいては積極的にチキータで仕掛け、4球目も打点の早いバックで木造選手をおしていました。本来は木造選手がしたいプレーでしたがお株を取られたように思います。また、水谷選手に先手を常に取られていたため、木造選手としては先手を取ろうとしてすこし簡単なミスが増えたように思います。
 
 サーブについては3セット目以降は特にフォア前のYGサーブを中心に木造選手にチキータをさせないようにしていたと思います。チキータ封じの定番の戦術ではあるが、木造選手はこのYGサーブをなかなか打破できていなかったです。水谷選手が想像以上に速い攻めをしてきたので、チキータもし辛かったのではないかと思います。

 試合の流れとしては2セット目に水谷選手が大量リードしたところを木造選手が追いついて逆転していれば、もっと良い試合になったのではないかと思います。水谷選手も1セット取ったことにより、攻撃的な卓球を自信をもって出来たのではないかと思います。

 もしかしたら木造選手が勝つのではないかとも思いましたが、いざ試合が始まるとやはり水谷選手が強かったです。木造選手としてはうまくいなかったときに、何か状況を打破する術が水谷選手に対してはなかったように感じます。そういう風に思わせたのも水谷選手の戦い方なのかなと思います。
 過去9回の優勝、12回の決勝進出という記録を持っている水谷選手の強さの秘密は、自分から得点をすることではなく、相手に得点をさせないまたは相手にミスをさせる戦略が他の選手よりも飛び抜けているからだと思います。




 本日は以上です!!次回は最終回決勝戦の考察を書いていきます。

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